研究内容

植物に寄生する線虫


植物に寄生する線虫の中には農作物に加害し、減収や商品価値の低下を引き起こすものが存在します。そのような植物寄生性線虫の生理・生態的な特徴や行動を解明することで、新たな防除方法の確立を目指します。

昆虫に便乗・寄生する線虫


線虫の中には昆虫と関係を持つもの(昆虫嗜好性線虫)が多数存在します。昆虫に寄生する昆虫寄生線虫や昆虫を乗り物としている便乗線虫などに分けることができます。これらの線虫の生理・生態を明らかにすることで、害虫防除への利用や、生態への影響を解明するための基礎的な研究をおこなっています。
線虫は昆虫に寄生する際には昆虫の免疫を回避・抑制することで寄生ができるようになります。どのようにして宿主免疫から線虫は逃れているかについて研究しています。
線虫の中には昆虫を乗り物のように利用(便乗)する線虫がいます。便乗線虫は昆虫に寄生したり病気を引き起こしたりするようになるために重要なステップと考えられます。そこで、新たな便乗線虫を探索するとともに、寄生性の進化や便乗線虫が昆虫やその生態に与える影響を明らかにすることを目指します。

有明海に生息する線虫

佐賀市が面する有明海は九州最大の内湾で、湾内に多くの河川が流れ込むことから塩分濃度の変化が大きく、湾奥部では外洋に比べて塩分濃度が低く、河川の影響で塩分濃度が変化します。また、干満差が大きい有明海には広大な干潟が現れ、泥質や砂質など、場所によって干潟土壌の状態が大きく異なります。有明海はこのような特徴を持つため、有明海特有の様々な生物も多数存在します。このような特異な有明海の干潟には1平方センチメートルあたり300頭もの多様な線虫が生息しますが、その種類、生態、干潟に及ぼす影響などはほとんどわかっていません。このような特異な環境に生息する線虫のについて基礎研究を進めています。

線虫の機能開発

線虫は地球上の様々な場所に適応し、生息しています。そのためには線虫は様々な特性を獲得しています。そのような線虫のもつ特性を明らかにし、有効利用へと繋げるための研究をおこなっています。